ディーラー・セクション

ディーラー……ゲームにおける「親」、そして「配る者」。
物語を、役割を、そして運命を配る者。
そして、その行く先を見届ける者。

このセクションは、ゲームの進行役であり親となるDL(ディーラー)が把握しておくべき、ゲームルールの詳細が記載されています。

DLだけでなく、ゲームについてのより詳細な内容を把握しておきたいPLも目を通すとよいでしょう。

目次

世界観と《怪異》

判定の処理

ラウンド進行

HPとMP

共鳴と《怪異》

残響

クイックスタート

エモクロアの
世界観と《怪異》

『エモクロアTRPG』の世界観は、現実とよく似たもうひとつの世界です。
私たちの住む現実世界にも、もしかしたら《怪異》が存在するかもしれません。神や悪魔、妖怪や幽霊、モンスターなどの超常の存在が実在するのかもしれませんが、残念ながらその存在を裏付ける確たる証拠がありません。

しかし『エモクロアTRPG』の世界には、確かに彼ら《怪異》が実在しています。 TIPS ただし、現実世界と同じように、多くの人々は《怪異》がそこにいることを認識はしていません。
そしてこの世界の《怪異》は、人の「感情」に影響を及ぼすということが大きな特徴となっています。

『エモクロアTRPG』で描かれる風景

『エモクロアTRPG』ではPLの分身たる共鳴者が、《怪異》の起こす事象に巻き込まれる一幕を演じることになります。

人に害をなす《怪異》に立ち向かうシナリオ。
気まぐれな《怪異》の脅威をやり過ごし、生還を目指すシナリオ。
《怪異》の力を求め、感情を狂わされた人間が起こした事件を解決するシナリオ。
友好的な《怪異》と仲良くなり、助けるシナリオ。
……などなど、《怪異》によって起こる事件や紡がれる物語は様々です。 TIPS もしかすると、共鳴者たちが直接《怪異》の存在と対峙しないシナリオもあるかもしれません。
物語の発端に《怪異》の存在があり、そこに感情の波や渦があれば、どんな物語でも『エモクロアTRPG』のシナリオになりえます。

事件の発端に《怪異》の存在があり、そこに共鳴者が近づくことでドラマが生まれます。
《怪異》に、そしてそこに流れる「感情」に引き寄せられること。
それこそがキャラクターが共鳴者になるための条件なのです。

《怪異》……エモクロア

『エモクロアTRPG』における《怪異》は
「人の感情に影響を与える超常の存在」の総称であり、幽霊や妖怪、悪魔、幻想上の生物、都市伝説、怪物、異界、アーティファクト、神など、幅広い存在を内包しています。

《怪異》ごとに出自や性格、特徴、超常の力、人の感情に与える影響などは様々に違っています。 TIPS 人が知覚できるのか。
知性を持っているのか。
コミュニケーションを取れるのか。
人が太刀打ちできる存在か。
理解可能な存在か。
……これらも、《怪異》ごとに大きく異なります。

まずは、「怪異事典」をザッと眺めてみてください。その何でもあり加減がわかっていただけるかと思います。

この世界の《怪異》の共通点はただひとつ。
関わった人々の感情に何かしらの影響を及ぼすことです。 TIPS 感情の影響を及ぼし方も、その力の由来も、《怪異》ごとに変わって構いません。
結果的に関わった人の感情に変異が起き、それが物語の重要な要素となることが『エモクロアTRPG』の描く物語のコンセプトです。

シナリオに登場させる《怪異》は「怪異事典」から選んで使用しても、そのシナリオ独自の《怪異》を作成しても構いません。 TIPS 現実の神話や伝承を元に設定したり、まったくオリジナルの《怪異》を一から作ってOKです。
「同じ名前の《怪異》」でも、全く特徴の異なる別の存在がいてもよいのです。
たとえばルールブックには「マヨイガ」という《怪異》が掲載されていますが、あなたが作るシナリオにおいて、この設定を無視した全く別の「マヨイガ」を登場させて構わないのです。

大事なのは、シナリオに《怪異》が登場すること、そして共鳴者が《怪異》の巻き起こす事象に関わる余地があることです。 TIPS 直接対決するにせよ、逃げるにせよ、やり過ごすにせよ、いずれにしてもゲームの主役は共鳴者であり、プレイヤーが当事者となって物語を紡ぐことができることが大事です。

シナリオの舞台セッティング

シナリオごとに事件や物語の舞台は変わってきます。
場所はどこなのか。時代はいつなのか。
これが明示されていないと、PLが共鳴者を作成する際に迷ってしまうでしょう。

特に設定が明示されていない場合、物語の舞台は「現代・日本」 TIPSPLが想像しやすい舞台ですし、一度作った共鳴者を他のシナリオでも使用しやすくなるからです。 とします。

逆に言うと、シナリオの事前情報に明示してあれば、これ以外の好きな舞台を設定して構いません。
たとえば「戦後・日本」「1920年代・アメリカ」「2XXX年・火星スペースコロニー」「時代不明・夢の中の世界」などです。
舞台に合わせて使うことができる技能に制限をかけたり、あるいはシナリオ独自の技能を追加してもよいでしょう。

場所について、詳しく設定しても抽象的にボカしても構いません。
たとえば「東京」などの実在の場所を舞台にしてもよいですし、「A市」のように架空の舞台の設定を作ることもできます。あるいは、「日本の日常的な風景」というなんとなくのイメージだけをふわっと伝えてもよいのです。
シナリオの情景をPLに伝えるのに十分な設定がされていれば、細部を無理に設定する必要はありません。

共鳴者

この物語の主役である「共鳴者」とは、何か共通の特徴を持った異能者を表すわけではありません。
偶然なのか、あるいは《怪異》に呼び寄せられたのか、あるいは何者かの陰謀なのか……結果的にその物語に「共鳴」し、渦中に身を置くことになる人物のことです。
共鳴者が共鳴者であるのは、そのセッションの中でのみです。 TIPS たとえばDLが、自分の持つ共鳴者をNPCとしてシナリオに登場させたとしても、それは物語の主役ではないので共鳴者としては扱いません。
ただし、DLも同時にPLの1人として参加し共鳴者を持ち込む「DPC(Dealer=Player Character)」というプレイスタイルは例外です。

なので一言で共鳴者といっても、職業や能力、バックボーンなどは千差万別です。
あまりに違いすぎる共鳴者たちを一つの物語に巻き込ませるのが大変な場合、シナリオやDLの判断で共鳴者の設定にある程度の指定 TIPS 共鳴者作成についてシナリオやDLからの要請を記載したもの=「ハンドアウト」を渡す方法もあります。 を行って構いません。

判定の処理

判定の基本的な方法については、プレイヤー・セクションの「判定」の項目に記載してあります。ここではセッション中、DLがどのようにPLの判定を処理するかを説明します。

誰が判定を行わせるのか

セッション中に判定が必要になるのは、そのキャラクターが行おうとしている行動が成功するか失敗するかを決定したい時や、どの程度の結果が出たかを判断したい時です。
誰でも当たり前に行えそうな行動や、あるいはロールプレイを踏まえると自然と結果が得られるだろうと判断される場合には、判定は行わずに行動の結果を描写して構いません。 TIPS たとえば「部屋の中を見回して調べたい」というPLのロールプレイに対して、
・判定させずに目に見て分かる範囲の情報を描写する
・詳しい情報や隠されたものを発見するために〈*知覚〉での判定を行わせる
・上記の両方を行う
・特に何も見つからないと言い、判定させず情報も渡さない。
などの選択肢があります。

この、「その行動に判定が必要かどうか」を決定するのは、DLの役目となります。

判定が発生する流れは、基本的には以下のような形となります。

  • ・DLが状況を描写し、PLに「○○技能で判定してください」と伝える。 TIPSこの場合、使用する技能は基本的に、全共鳴者が使うことができる「ベース技能」で指定することが望ましいです。
  • ・PLが行うロールプレイや行動宣言に応じて、DLが「その行動であれば○○技能で判定しましょう」と伝える。
  • ・PLが「こういった行動が行いたいが、○○技能で判定してよいか」と尋ね、DLが許可する。

判定結果に応じて結果を描写する

ダブル(効果的成功)トリプル(極限成功)の結果が出た場合、その判定では通常よりも劇的な結果を出したことになります。
基本的には行動したキャラクターが、よりカッコよく、エレガントに活躍した様を描写するだけで構いませんが、DLの裁量で与える情報を増やしたり、なんらかのボーナスを与えてもよいでしょう。

ミラクル(奇跡的成功)の結果がでた場合は、行動に応じたなんらかのボーナス TIPS 判断に困ったら、以降の判定で一度だけダイスボーナス(後述)を1つ与えてください。 を共鳴者に与えることが望ましいです。

カタストロフ(災厄級成功)の結果は通常、人間が出すことはできません。
しかし、《怪異》の超常の力であれば起こり得るかもしれません。
この場合、その行動が天変地異を起こしたり、周囲に甚大な影響を与えたりします。

ファンブル(致命的失敗)の結果がでた場合は、行動が裏目に出て事態が悪化します。
状況に応じてなんらかのペナルティ TIPS 判断に困ったら、即座に1D3のダメージを受けさせる、あるいは《共鳴》レベルを即座に1上昇させてください。 を与えてください。

判定の難易度

その判定で行おうとしている行動が専門性を必要とするものだったり、非常に難しい行動であった場合、ダブルやトリプルなど、より成功数の大きい結果を要求することができます。

難易度の目安

  • ダブルの成功が必要
    非常に難しい、高度な専門性を有する
  • トリプルの成功が必要
    極めて難しい、素人には不可能、極限の挑戦
  • ミラクルの成功が必要
    奇跡でも起きない限り不可能

技能の代用

DLが「○○技能で判定してください」と指示した技能 TIPS 通常は「ベース技能」が指定されます。 について、PLはその行動に役立ちそうな他の技能での代用を提案することができます。 TIPS 『エモクロアTRPG』では、この技能の代用の提案を積極的に行うことを推奨しています。
ゲームを有利に進めるために、PLが共鳴者の持つ個性を主体的に発揮していくことができるからです。

DLが認めれば、代用が可能になります。

その際、代用した技能では本来指定されていた技能よりも不利であったり効果が薄い場合などは、より成功数の大きい結果を要求しても構いません。

あるいは代用した技能が、本来指定されていた技能よりもその行動に対して効果的であった場合は、DLはその判定にダイスボーナス(後述)を与えることができます。

ダイスボーナス

ロールプレイの結果やPLの工夫により、その判定にとって有利な状況が発生したり効果的な作戦や行動が示された場合は、DLはPLがその判定で振るダイスの個数を増やすことができます。これをダイスボーナスといいます。
一度の判定で与えるダイスボーナスは、非常に有利な状況で1つ、極めて有利な状況で2つ程度です。

PLの素晴らしい提案は積極的に認めるとよいですが、あまりに容易に障害が乗り越えられてはドラマが生まれづらくなります。
2つ以上のダイスボーナスを与えることには慎重になったほうがいいでしょう。

対抗判定

2人ないし複数のキャラクター TIPS たとえば徒競走で順位を決定する為に、3人以上で〈スピード〉判定をするような場合も対抗判定となります。 の行動が相反していたり、競争したりする場合、その勝敗を決定するには「対抗判定」を行います。
対抗判定は、双方がそれぞれ行う判定の成功数を比較します。
成功数が大きいほうが勝者となります。

対抗判定の結果、成功数が同数の場合は条件によって処理が分かれます。
明確に「攻める・能動」側と「守る・受動」側が分かれている対抗 TIPS たとえば、Aさんが隠し持っている何かをBさんが暴こうとして、
・Aさん(受動側)の〈隠匿〉
・Bさん(能動側)の〈観察眼〉
を対抗判定させるような場合です。
この場合、成功数が同数だった場合はAさんの勝利になり、BさんはAさんが隠している物を見つけられなかったことになります。

戦闘における攻撃(能動)/防御(受動)も、これの代表的な例でしょう。
の場合、受動側有利の原則が発生し、受動側の勝利となります。
そうでない場合、判定の結果が拮抗したままで問題ないならば「引き分け」として処理します。
明確に勝敗を決定しなければならない場合は、決着がつくまで対抗判定をやり直して下さい。

ラウンド進行

戦闘などの同時に複数の人の行動が入り乱れるような状況や、時間経過をドラマチックに描きたい、活劇のようなシーンでは「ラウンド進行」を使用します。

ラウンド進行は、「行動順を決めて、その順に判定を行う」というシンプルなルールです。 TIPS コンピューターゲームのターン制バトルのようなものと思えばイメージしやすいでしょう。
全員が一度ずつ行動し、一巡するまでの期間を「ラウンド」と呼びます。
1ラウンドがどれくらいの時間なのかは、シチュエーションにより変わります。

ラウンド進行開始の宣言と
終了条件

DLがラウンド進行開始の宣言をします。
また同時に、そのラウンド進行の終了条件 TIPS たとえば「敵を全て倒す」「目的の場所まで到達する」「3ラウンドが経過する」などです。 を設定しましょう。
ラウンド進行の終了条件をPLに伝えるかどうかはシナリオやDLの判断によります。

イニシアチブ値の決定

行動優先度を示す「イニシアチブ値」を決定します。
このイニシアチブ値が大きい順に行動をすることになります。

イニシアチブ値は、ラウンド進行のシチュエーションごとに求められる能力値となります。
イニシアチブ値に+補正をする技能を設定することもできます。

イニシアチブ値の一例

  • 戦闘(陸上)
    【💪 身体】+〈スピード〉技能レベル
  • 戦闘(水中・空中)
    【💪 身体】+〈ダイブ〉技能レベル
  • 議論
    【📖 知力】+〈ディベート〉技能レベル
  • マネーゲーム
    【💳 社会】
  • ライブ
    【💘 魅力】

行動

イニシアチブ値が大きい順 TIPS イニシアチブ値が同値の場合、お互いが1D10を振り、より小さい数字が出たほうが先行となります。 にアクション(能動的な行動)を行います。
基本的には1回の判定が行えます。
複雑な行動(複数回の判定が必要なもの)や時間がかかる行動などは、複数ラウンドを消費するとしても構いません。その場合、処理はDLが決定します。

行動を放棄することも、待機して行動順を後回しにすることもできます。
待機する場合、そのラウンドの最後に再び行動順が回ってきます。 TIPS 複数人が待機を宣言した場合、ラウンドの最後での行動順はイニシアチブ値の「小さい順」となります。
ここで再び待機することはできません。

戦闘時のリアクション

相手からの〈*格闘〉などによる攻撃判定が命中した場合、その攻撃を回避したり防御したりする対応=リアクションを1回行うことができます。

  • 回避判定
    使用する技能:〈*運動〉〈アクロバット〉〈危機察知〉など
    回避判定はひとりあたり、1ラウンド中に1回しか試みることができない。 TIPS※〈危機察知〉を取得している場合のみ、技能レベル回行えます。
    回避判定の結果(成功数)が、相手の攻撃判定の結果以上だった場合、その攻撃を避けてダメージを無効化することができる。
  • 防御判定
    使用する技能:〈耐久〉など
    1ラウンド中何度でも行うことができる。
    判定に成功すれば、相手の攻撃行動の判定結果によらず、受けるダメージを防御判定の【成功数】点軽減することができる。

戦闘時:リアクション専念

ラウンド開始時に「リアクション専念」を宣言し、そのラウンド中のアクション権を放棄することで、リアクションに専念し、以下の効果を受けることができます。

  • ・回避判定を行える回数+1
  • ・防御判定成功時のダメージ軽減量×2

ハウスルール・シナリオ内ルール
について

『エモクロアTRPG』ではプレイ環境やシナリオに合わせて、より自由にルールがアレンジしやすいよう、戦闘を含むラウンド進行のルールを非常にシンプルに作ってあります。
ハウスルールやシナリオ独自のルールにより、これらを拡張したり追加ルールを設けたり、あるいは大元のルールを改変して自由に遊んで構いません。

ただし、参加するプレイヤーが戸惑ったり不公平を感じたりしないよう、プレイ前やセッション中の必要なタイミングで提示する等の配慮を行ってください。

HPとMP

HP(ヒット・ポイント、身体的耐久力)

  • HP

    HP(ヒット・ポイント)
    【💪 身体】+10

いわゆる体力です。どの程度の身体的ダメージに耐えられるかを示します。

回復

ダメージを受けた際、HPを回復する手段は以下のようなものがあります。

  • ゆっくりと休息をとる / 1D3回復
    どの程度の時間を要するかはシナリオごとに変わります。特になければ一晩程度です。
  • 休息時に〈医術〉に成功する / 追加で【成功数】D3回復
    一度の休息時に、この効果は一度しか適用されません。
  • 傷に対し〈*手当て〉〈医術〉を行う / 【成功数】D3回復
    一度に受けたダメージに対し、この回復は1回しか行なえません。

気絶

一度に受けたダメージが直前のHPの半分以上だった場合、キャラクターは〈*生存〉判定 TIPS 〈耐久〉や〈根性〉でも代用できます。受けたダメージが水中の窒息などによるものなら〈ダイブ〉でも代用が可能です。 を行い、失敗すると【気絶】します。

【気絶】したキャラクターは意識を取り戻すまで一切の行動ができませんし、全てのダメージに対して無抵抗になります。

【気絶】は通常1D10×10分間継続します。 TIPS DL判断によりこの時間は前後させて構いません。
ラウンド進行中の場合、自分の行動手番を消費して〈*生存〉判定を行い、成功すると意識を取り戻します。

心肺停止と死亡、蘇生

HPが0以下になるとキャラクターは【心肺停止】状態となります。 TIPS 〈根性〉技能を持っていると、【心肺停止】状態になることを回避する判定を行うことができます。
詳しくは技能一覧をご参照ください。

【心肺停止】状態となったキャラクターがいる場合、即座にラウンド進行が開始 TIPS イニシアチブ値は【👋 器用】です。既にラウンド進行中の場合は、そのラウンド進行がそのまま継続します。 します。

【心肺停止】状態のキャラクターは一切の行動ができません。
また、各ラウンドの終了時 TIPS ラウンド終了直前にキャラクターが【心肺停止】になった時など治療を行えるタイミングが一切入らない場合、DL判断により〈*生存〉判定が発生するのは次のラウンドからとしてもかまいません。 に〈*生存〉判定(代用不可)が発生します。この判定に失敗した場合、そのキャラクターは【死亡】します。

【心肺停止】状態からの復帰条件は以下のとおりです。

  • ・他の人が〈★蘇生〉判定に成功する。
    (HPは1まで回復する)
  • ・他の人が〈*手当て〉や〈医術〉で傷の治療をしてHPが1以上まで回復する。

MP(メンタル・ポイント、心的耐久力)

  • MP

    MP (メンタル・ポイント)
    【😶 精神】+【📖 知力】

心の耐久力がMPです。
強いストレスなどで消耗していきます。
魔術的な力とも直結しています。 TIPS 《怪異》を呼ぶ儀式などで消費したり、魔術具の使用に必要だったりするかもしれません。

失神

なんらかの作用によりMPが0以下になった場合、〈*自我〉で判定を行います。
成功するとMPは1まで回復しますが、失敗すると【失神】します。

【失神】したキャラクターは、意識を取り戻すまで一切の行動ができませんし、全てのダメージに対して無抵抗になります。
【失神】は通常1D10×10分間継続します。 TIPS DL判断によりこの時間は前後させて構いません。
【失神】から回復するとMPは1まで回復します。

回復

MPは、ゆっくりと休息 TIPS どの程度の時間を要するかはシナリオごとに変わります。特になければ一晩程度です。 をとると最大値の半分(端数切り上げ)が回復します。

共鳴と《怪異》

《怪異》が持つ力や、彼らによって変異させられた感情、あるいはその事件に関わる人々の強い感情……こういったものに引き寄せられたり影響を受けることを、『エモクロアTRPG』では「共鳴」と呼びます。

〈∞共鳴〉技能

共鳴者が《怪異》からどの程度の影響を受けているのかを表すのが〈∞共鳴〉という技能です。
この技能は、セッション中に徐々に技能レベルが上昇していくという特殊な性質を持ちます。

《怪異》の気配や彼らの起こした超常現象、あるいは《怪異》によって歪められた人々の感情に触れた時に、〈∞共鳴〉技能を使用することになります。
共鳴すればするほど……共鳴者が《怪異》の影響を受ければ受けるほど、徐々に〈∞共鳴〉技能のレベルが上昇していきます。

セッション開始時の〈∞共鳴〉レベルは TIPS 共鳴者作成の段階で、技能ポイントを消費して2レベル以上で取得している場合は、その数値が初期値となります。
そして、人としての限界値です。

〈∞共鳴〉レベルが10以上になる……つまり《怪異》から受ける影響が人としての許容量を越えてしまった場合、共鳴者は【逸脱】します。
人としての意識を保てなくなり、《怪異》に身体を乗っ取られてしまったり、あるいは自身が《怪異》と同等の存在になってしまったり、あるいは自我が崩壊して廃人となってしまったりします。
【逸脱】した共鳴者はPLの手を離れ、NPC化してしまいます。
セッション終了時に【逸脱】したまま TIPS セッション中に【逸脱】状態から戻ってくる手段は、通常は[∞残響](※後述)を消費することのみです。
ただし、シナリオによっては【逸脱】からの回復手段が示されている場合があるかもしれません。
の共鳴者はキャラクターロストし、以降のセッションで使用することができなくなります。

セッションを無事に生還した共鳴者が、次に別のセッションに参加することになった時、
〈∞共鳴〉レベルは初期値まで戻ります。 TIPS キャンペーン・シナリオ(一連の続きものシナリオのこと)では、前のセッションで上がった〈∞共鳴〉レベルの一部を引き継いでも構いません。

共鳴判定

《怪異》の存在や、《怪異》に変異させられた強い感情に近づいた際に発生する、〈∞共鳴〉技能による判定が「共鳴判定」です。
成功すると《怪異》から侵蝕を受け、〈∞共鳴〉レベルが上昇します。 TIPS 同時に、彼らの感情が共鳴者に流れ込んでくることもあるでしょう。

共鳴判定は、シナリオ中で以下のような書式で示されます。

  • (例)共鳴判定(強度5/上昇1)
    ∞共鳴感情:[憧憬(理想)]

強度とは、《怪異》からの影響力の強さや、その場に流れる感情の強さを表します。
〈∞共鳴〉技能レベル個のD10を振り、強度以下の出目が出れば成功です。 TIPS つまり、強度とは〈∞共鳴〉技能の判定値となります。エラー・ダイスやクリティカル・ダイスが出た場合は通常の判定と同様に成功数を増減させてください。

共鳴判定に成功すると、〈∞共鳴〉の技能レベルが「上昇○」で示されている点数分上昇します。
この上昇値は通常1レベルですが、シナリオやDLの判断次第で増減します。
たとえば非常に強力な影響を受ける判定では、上昇値が2だったり1D3だったりすることもあるでしょう。

共鳴感情の項目には、その共鳴判定で共鳴する感情が記載されています。
これは「感情マッチング」(※後述)で使用します。

また、共鳴判定でトリプル(極限成功)以上の結果が出た場合、キャラクターは強く《怪異》の影響を受けて一時的に何かしらの変調をきたします。
《怪異》ごとに定められた「共鳴表」 TIPS シナリオ独自の《怪異》をつくる場合、オリジナルの[共鳴表]を用意するか、あるいは「怪異事典」の末尾に掲載している[汎用共鳴表]4タイプから適当なものを選んで使用します。 を参照し、1D6を振ってキャラクターに起こる変調の内容を決定してください。

強度の指針

  • 9~10
    ・世界法則を書き換える災厄級の《怪異》
    ・強烈な意思により《怪異》が憑依しようと試みている
    ・強制的に感情を塗り替える程の支配的な力が働いている
    ・共鳴する感情の持ち主が自分自身
  • 7~8
    ・一般人にも認識できるレベルの強力な《怪異》
    ・間近に《怪異》の存在や驚異をハッキリと感じる
    ・怨念じみた強烈な感情がその場を支配している
    ・共鳴する感情の持ち主と非常に親しい間柄
  • 5~6
    ・《怪異》の力が比較的強い
    ・近くに《怪異》の存在を感じる
    ・共鳴する感情が非常に強く、共感性が高い
    ・共鳴する感情の持ち主にかなりの感情移入をしている
  • 3~4
    ・《怪異》の力が比較的弱い
    ・強力な《怪異》がかつてそこに居た痕跡を感じる
    ・共鳴する感情の持ち主に若干の感情移入をしている
  • 1~2
    ・《怪異》の微かな残り香程度の影響
    ・共鳴する感情の持ち主が無関係な他人

以上はあくまでも指針であり、シナリオ内の設定などに合わせて変動させて構いません。

共鳴判定のダイスボーナス

共鳴者の設定やロールプレイが、《怪異》などに強く共鳴している、ないし共鳴したいという意思を感じる場合には、DLは共鳴判定にダイスボーナスを与えることができます。

共鳴表の例:汎用共鳴表
(伝承タイプ)

1恐慌 《怪異》の異常な気配に身体がすくみ、動けなくなる。
1D6×10分(あるいは1D10ラウンド)の間、判定値に【💪 身体】を使用する技能での判定は成功数-1される。
※〈*自我〉あるいは〈心理〉の成功で回復する。
2幻覚 見えないはずのものが見え、聞こえないはずの音が聞こえる。しかし、それは本当に存在しない声だろうか?
PLが望むなら、〈*知覚〉〈観察眼〉〈聞き耳〉〈★霊感〉などで判定することができる。成功すると、《怪異》に関する情報を一つ得ることができる。
具体的にどのような情報を渡すのかはDLが決定する。
ただしこの情報を受け取った場合、あなたの〈∞共鳴〉レベルは即座に1上昇する。
3共振エンパシー その《怪異》との親和性が高まり、影響を受けやすくなる。
対象の《怪異》が持つ「共鳴感情」を一つ、追加で獲得する。(シナリオ中継続)
4パラノイア 極度に肥大化した不安や妄想に囚われ、現実の認知が難しくなる。
以降、判定値に【👂 五感】を使用する技能での判定は成功数-1される。
※〈*自我〉あるいは〈心理〉の成功で回復する。
5霊感獲得 《怪異》の存在に近づいたことで、本来見えないものが見えたり、気づけなかったものに気づけるようになった。
シナリオ中、〈★霊感〉レベル+1。
6失神 《怪異》の強力なオーラにあてられて意識を失う。
即座に〈*生存〉か〈*自我〉で判定。失敗すると1D10分間、共鳴者は【失神】状態になる。

感情マッチング

共鳴者が持つ「共鳴感情」の中に、共鳴判定に設定されている共鳴感情と全く同じものが含まれている場合、
共鳴判定で振るダイスの数が×2されます。

また、共鳴者が持つ「共鳴感情(ルーツ)」の感情属性(欲望、情念、理想、関係、傷)と、共鳴判定に設定されている共鳴感情の感情属性が同じ場合、
共鳴判定で振るダイスの数は+1されます。

これらは重複はせず、より影響の大きい方のみが適用されます。

この感情マッチングは基本的にDLがチェックし、該当PLに振るダイスの数が増えることを伝えます。 TIPS 「憧憬の共鳴感情を持つあなたは、この《怪異》と非常に強く共鳴しました。振るダイスの数を×2してください」といった風に伝えるとよいでしょう。
スムーズにチェックできるよう、DLは共鳴者たちの持つ「共鳴感情」の一覧をいつでも閲覧できるようにしておきましょう。セッション開始前に事前にチェックしておくとなお良いです。

憑依判定

《怪異》が共鳴者の身体を乗っ取ろうとしてきたり、あるいは《怪異》を召喚する儀式などを行うなどした場合、「憑依判定」という特殊な共鳴判定が発生します。

憑依判定の判定の流れは基本的に共鳴判定と同じですが、異なる点がいくつかあります。

  • ・失敗しても〈∞共鳴〉が1レベル上昇します。
  • ・[共鳴表]は適用されません。
  • 成功数が【😶 精神】の数値以上だった場合〈*自我〉判定をし、失敗すると【憑依】状態となります。
  • ・憑依判定に成功した時、共鳴者は身体を「明け渡す」ことができます。この場合、即座に【憑依】状態となります。

【憑依】状態になった時にキャラクターがどうなってしまうかは《怪異》ごとに設定されています。
通常は、共鳴者の感情やロールプレイ指針などに変化や制限がかかった上で、引き続きPLがロールプレイを続けることが可能ですが、《怪異》によっては完全にPLの制御を外れてNPC化してしまうかもしれませんし、キャラクターロスト扱いとなってしまう場合もあるかもしれません。 TIPS 【憑依】によりPLが共鳴者を使えなくなるような局面では、極力事前にその情報をPLに伝えてください。

【憑依】状態の解除方法も、《怪異》やシナリオごとに設定されています。

注意:感情の連続性に配慮しよう

キャラクターを「自ら作り出し」「演じる」という特性上、多くのPLにとって共鳴者は単なるゲームの駒ではなく、エモクロアの世界に実在する自分の分身のような存在です。

《怪異》は人の感情に影響を及ぼし、場合によっては大きくその感情を歪ませ、あるいは新たな感情を植え付けられます。
この感情の変化が物語のエッセンスになるのが『エモクロアTRPG』の大きな特徴ですが、同時にPLにストレスを与えるリスクにもなりえます。

自分がロールプレイする共鳴者が、あまりにも意図していない感情を急に持たされたり、あるいは元々あった感情を望まぬ形に歪められたりする時、PLは戸惑ったり、忌避感を示す可能性があります。
『エモクロアTRPG』はそもそもそういった感情変化を物語に取り入れたゲームではありますが、だからといってPLの満足度や楽しみを犠牲にしてまで強く押し付けてよいものではありません。
感情の変化を楽しめているか。ストレスになってはいないか。
シナリオを作成したりセッションを進めていく上で、DLはこの点に十分配慮をして運用していただければと思います。

残響(セッションクリア報酬)

セッションを終え、共鳴者が【死亡】や【逸脱】することなく生還した場合、シナリオのクリア報酬として[∞残響]というものを得ることができます。

[∞残響]とは、物語中に受けた《怪異》との共鳴の残り香、欠片のようなものです。
《怪異》がいなくなり、事件が解決しても、彼らの影響は完全に消えてしまうわけではありません。
事件を経験した人たちに残った感情として、あるいはもっと直接的な《怪異》からの魔力として、ほんの少しですがこの世界に残り続けます。

[∞残響]はその共鳴者で遊んだシナリオの履歴、
あるいはトロフィーであり、共鳴者が経てきた経験、そこで得た思い出や感情の記録でもあります。

[∞残響]の獲得

シナリオをクリアした際に、各共鳴者は[∞残響]を一つ獲得します。

共鳴者シートの[∞残響]の欄に「シナリオ名」「そのセッションで得た感情」を記録しましょう。
得た感情は共鳴者ごとに違ったもので構いません。その内容は各PLが自由に記載することができます。

たとえば《怪異》が持っていた共鳴感情をそのまま記載してもいいですし、あるいは他の共鳴者やNPCなどとの関わりの中で得た感情を具体的に記載しても構いません。
書き方は自由です。「哀しみ」「**との友情」「思い出せない誰かへの追憶」など、あなたらしい記載をしてください。

  • 書式:[∞残響:シナリオ名/感情]

残響効果

共鳴者は、過去のセッションで得た[∞残響]を消費して、強力な「残響効果」を得ることができます。
ひとつの[∞残響]は、全セッションを通じて一度しか使用できません。
一度でも使用した[∞残響]は共鳴者シートに消費済みチェックをつけ、その後二度と使用することはできなくなります。

残響効果には以下の3つがあります。
使用時に、任意の1つを選んでください。

  • 残響効果:ハーモニー
    使用タイミング:判定の直前
    効果内容:現在の〈∞共鳴〉レベルと同じ数だけ振るダイスの数を増やす。
    共鳴者の中に残る[∞残響]を、今対峙している《怪異》の力の波長と調和させ、一時的に人間の限界を超えた超常の能力を得ることができる。
  • 残響効果:エコー
    使用タイミング:判定の直後
    効果内容:直前の判定のダイスロールを振り直す。
    一度失敗した行動は、[∞残響]が見せた「ありえた結果」の予感であったことになる。
    その結果は無かったことになり、再度同じ状況で同じ行動をやり直すことができる。
  • 残響効果:ノイズゲート
    使用タイミング:いつでも
    効果内容:即座に〈∞共鳴〉レベルを1D3点減少する。
    今まさに共鳴者を侵蝕しようとしている《怪異》に対して、かつての《怪異》の[∞残響]が反発し、中和し、その影響を減衰させる。
    この効果は〈∞共鳴〉レベルが10以上になり【逸脱】状態になった共鳴者でも使用することができる。その結果レベルが9以下になった場合、【逸脱】状態は解除される。

クイックスタート

初めてTRPGに触れる人たちでセッションを行う、あるいはとにかく短時間ですぐに遊び始めたい場合などは、クイックスタートルールを採用することができます。

クイックスタートルールでは、共鳴者作成の手順のうち [3]能力値を決める以降の全てを省略します。

そして全ての判定を「ベース技能」と〈∞共鳴〉のみで行います。
共鳴判定における感情マッチングなど、準備していないデータを使用するルールを全て省略・簡易化して行うことでセッションを進めてください。

全てのシナリオがクイックスタートルールで遊べるわけではありません。
クイックスタートルールが採用できるかどうかは、シナリオごとにDLが各自判断してください。


『エモクロアTRPG』は、TRPG基幹システム
「ダイスタス」を利用して制作されています。

ダイスタス