ディーラー・セクション

ディーラー……ゲームにおける「親」、そして「配る者」。
物語を、役割を、そして運命を。
そして、その行く先を見届ける者。

このセクションは、ゲームの進行役であり親となるディーラーが把握しておくべきゲームルールの詳細と、シナリオ制作者向けの創作のヒントが記載されています。

ゲームについてより詳細に知りたいプレイヤーも目を通すとよいでしょう。

目次

世界観

判定の処理

世界観

私たちの暮らす現実とよく似たもうひとつの世界。
そこには、神や悪魔、妖怪、幽霊、モンスターなど超常の存在……《怪異》たちが、人々の傍ら 確かに実在しています。 TIPS ただし、現実世界と同じように、多くの人々は《怪異》がそこにいることを認識はしていません。
それが『エモクロアTRPG』の世界です。

エモクロアTRPGの世界

そしてこの世界の《怪異》は人と共鳴し、その「感情」に影響を及ぼすことが大きな特徴です。

『エモクロアTRPG』で描かれる物語

『エモクロアTRPG』ではPLの分身たる共鳴者が、《怪異》の関わる事件に巻き込まれるシナリオが展開されます。

  • 人に害をなす《怪異》に立ち向かうシナリオ
  • 気まぐれな《怪異》の脅威をやり過ごし、生還を目指すシナリオ
  • 《怪異》の力を求め、狂った人間が起こした事件を解決するシナリオ
  • 友好的な《怪異》と仲良くなり、助けるシナリオ

……などなど、《怪異》によって起こる事件や描かれる物語は様々です。
いずれにしても事件の発端には《怪異》の存在があり、そこに共鳴者が近づくことでドラマが生まれます。

《怪異》に、事件に、物語に……。
そこに流れる「感情」にキャラクターは引き寄せられ、「共鳴者」となります。
「共鳴者」が、シナリオで起きる出来事にどう接し、どう振る舞い、何が起きるのか。
それこそが『エモクロアTRPG』で描かれる物語です。

シナリオに《怪異》は必要か

共鳴者たちが直接《怪異》と対峙しないシナリオでも構いません。
物語の発端に《怪異》の存在があり、そこに感情の波や渦があれば、どんな物語でも『エモクロアTRPG』のシナリオになりえます。

《怪異》

『エモクロアTRPG』における《怪異》は「人の感情に影響を与える超常の存在」の総称であり、幽霊や妖怪、悪魔、幻想上の生物、都市伝説、怪物、異界、アーティファクト、神など、 幅広い存在を内包しています。 TIPS つまり、何でもありです。

  • 人が知覚できるのか
  • 知性を持っているのか
  • コミュニケーションを取れるのか
  • 人が太刀打ちできる存在か
  • 理解可能な存在か
  • 《怪異》ごとに出自や性格、特徴、超常の力、人の感情に与える影響などは様々に違っています。

    まずは、「怪異事典」をザッと眺めてみてください。その何でもあり加減がわかっていただけるかと思います。

    この世界の《怪異》の共通点はただひとつ。
    関わった人々の 感情に何かしらの影響を及ぼすことです。 TIPS 感情の影響を及ぼし方も、その力の由来も、《怪異》ごとに異なって構いません。
    結果的に関わった人の感情に変異が起き、それが物語の重要な要素となることが『エモクロアTRPG』の描く物語のコンセプトです。

    《怪異》を創作する

    シナリオに登場させる《怪異》は「怪異事典」から選んでも、神話や伝承の《怪異》を登場させても、 シナリオ独自の《怪異》を作成しても構いません。 TIPS 神話や伝承に登場する《怪異》に独自の設定を付与したり、2つ以上の怪異の特徴を合わせたり……。
    もちろんまったくオリジナルの《怪異》を創作しても構いません。

    《怪異》は様々な姿を見せるものです。
    同じ名前で伝わってるにも関わらず、姿形が違ったり、人間に無関心だったり、興味津々だったり、ときには神に見えたり、悪魔に見えたり……。
    実はそれらは同じ存在の別の側面かもしれませんし、もしかしたら全く特徴の異なる別の存在なのかもしれません。
    『エモクロアTRPG』においても同じ名前で別の《怪異》がいてもよいのです。

    たとえば怪異事典には「マヨイガ」という《怪異》が掲載されていますが、あなたが作るシナリオにおいて、この設定を無視した全く別の「マヨイガ」を登場させても構いません。

    いずれにせよ重要なのは、 共鳴者が《怪異》の巻き起こす事象に関わる余地があることです。 TIPS 直接対決するにせよ、逃げるにせよ、やり過ごすにせよ、いずれにしてもゲームの主役は共鳴者であり、プレイヤーが当事者となって物語を紡ぐことができることが大事です。

『エモクロアTRPG』の舞台

シナリオに明示されていない場合、『エモクロアTRPG』の舞台は「現代・日本」とします。

もちろん《怪異》はいつの時代にも、そして世界中のどこにでも存在します。
ですから、『エモクロアTRPG』には多彩な舞台のシナリオがあります。
時代はいつなのか。場所はどこなのか。それはシナリオごとに異なっているかもしれません。

舞台設定がどこかは共鳴者作成の指針になります。PLに舞台を伝え、キャラクター作成のイメージの手助けとしましょう。

シナリオの舞台設定

『エモクロアTRPG』の舞台は「現代・日本」を基本としています。
これはPLが想像しやすい舞台だからです。
また、セッションを経験した「継続共鳴者」を他のシナリオに登場させやすいという利点もあります。

とは言え、シナリオに合わせ舞台は柔軟に変更して構いません。
たとえば「戦後・日本」「1920年代・アメリカ」「2XXX年・火星スペースコロニー」「時代不明・夢の中の世界」など 自由に設定 TIPSなぜなら《怪異》はこの世界のいつの時代でも、どこであっても、人々の傍らに存在しているからです。 できます。
舞台に合わせて技能に制限をかけたり、 シナリオ独自の技能 TIPSオンラインキャラクターシートでは技能「その他」を利用してください。 を追加してもよいでしょう。

どの程度詳しく舞台設定するかも自由です。
たとえば「東京」などの実在の場所を舞台にしてもよいですし、「A市」のように架空の舞台の設定を作ることもできます。
あるいは、「日本の日常的な風景」という舞台設定で、プレイヤーと共有できるイメージだけをふわっと伝えてもよいのです。
シナリオの情景をPLに伝えられれば、細部を無理に設定する必要はありません。

共鳴者

「共鳴者」は、何か共通の特徴を持った異能者ではありません。
偶然なのか、《怪異》に呼び寄せられたのか、あるいは何者かの陰謀なのか……結果的にその物語に「共鳴」し、渦中に身を置くことになる人物が「共鳴者」です。

つまり『エモクロアTRPG』の共鳴者とは、セッションの主役であるということです。

なので一言で共鳴者といっても、職業や能力、バックボーンなどは千差万別です。
どのような共鳴者にプレイして欲しいか方針がある場合は、DLが共鳴者の設定に ある程度の条件付け TIPS特にセッションの方向性が明確に決まっている場合、DLが共鳴者の大枠の設定を指定する方がよいでしょう。
また、PLに情報を与えて相談する方法もあります。
を行うとよいでしょう。

また「ハンドアウト」(後述)を使って、シナリオで共鳴者の設定を指定される場合もあります。

DLの共鳴者

DLが、DLとPLの役割を兼任し、キャラクターをロールプレイする遊び方もあります。
この場合、DLのプレイヤーキャラクター「DPC(Dealer=PC)」も共鳴者として扱ってください。

それ以外の場合は、DLのキャラクターがNPCとして登場しても、物語の主役ではないため共鳴者としては扱いません。

ハンドアウトによる共鳴者設定

共鳴者の設定について、シナリオ側で指定を行いたい場合は 「ハンドアウト」 TIPS TRPGで配られるハンドアウト(=配布物)には様々な種類がありますが、ここでは「共鳴者設定の指定に使う事前配布資料」を指します。 を利用しましょう。
共鳴者がどのような人物で、どういった状況に置かれているか、どのような技能を取得するべきか、などについて指定することができます。

指定の範囲や方法は自由です。

また、「秘匿ハンドアウト」として、それぞれのPLだけが知る「秘密」が記されたハンドアウトを利用することもできます。

ハンドアウトを導入すると、シナリオ作者、DL、PL、それぞれが共鳴者を想定しやすくなります。
シナリオでやりたいことがある場合、実現しやすくなるでしょう。
反面、PLの自由度を下げる要因ともなるため、内容はよく検討して決めましょう。

判定の詳細

判定の基本的な方法については、プレイヤー・セクションの「判定」の項目に記載してあります。ここではセッション中、DLがどのようにPLの判定を処理するかを説明します。

いつ判定を行うか

『エモクロアTRPG』の判定は以下のようなタイミングで行います。

  • 判定を行うタイミング
  • ・共鳴者の行動の成功/失敗を決定したいとき
  • ・共鳴者の 行動の度合い TIPS よい結果に対して追加情報を出したいときによく使われます。 を決定したいとき
  • ・共鳴者に 行動のヒントを与えたい TIPS シナリオの進行に行き詰まっているときに〈*知覚〉で判定を促し、成功すればヒントになる情報を提供するなど。 とき

以下のような場合はDLの判断で判定を行わずに、進行してもよいでしょう。

  • 判定をしなくてもよいケース
  • 簡単な行動 TIPS「部屋を見回したら誰でも気づくような異常を発見する」など。 の結果を判定なしで伝える
  • 難しすぎる行動 TIPS無謀な行動に挑戦する共鳴者に判定をさせたい場合、必要な成功数を上げたり、ダイスを減らしたり、判定値を下げたりしてもよいでしょう。
    また判定を行った場合、大きなリスクがあると伝えてもいいかもしれません。
    を不可能だと伝える
  • ロールプレイを踏まえ、自然と結果が得られる TIPS 共鳴者が「部屋のゴミ箱を見る」行動をすれば、ゴミ箱に捨てられた紙くずには自然と気づくでしょう。 とき

判定の決定権

セッションにおいて「共鳴者の行動に判定が必要か」を判断し決定するのは、DLの役目となります。

セッション中は、 判定の全てにおいて TIPS DLは場合によってシナリオの指定を無視することもできます。 DLの判断が優先されます。

シナリオの場面で判定を指定する

判定は成功する場合と失敗する場合があります。
シナリオ中で判定を要求する場合、確率に関わらず成否の両方を想定してシナリオを書きましょう。

通常の技能とベース技能をシナリオに並記する TIPS「〈観察眼〉または〈*知覚〉で判定」など。〈*知覚〉がベース技能です。 とより親切でしょう。

また、シナリオの進行上、必須な情報は判定に関わらず入手できるようにしましょう。

必須な情報に判定を要求する場合、 挑戦する機会を増やしたり TIPS シナリオの進行上、同じ情報を手に入れられる場所を増やすなど 失敗時も情報を与えたり TIPS 失敗時と成功時で情報の内容を変えて、失敗時も最低限の情報だけは与えるなど 進行が詰まない工夫をしましょう。

判定の成功率や成功度数を確認したい場合は 判定計算ツールを参照してください。

判定の手順

判定は 以下のような手順 TIPS いずれかのステップを省略したり、順序が違っても構いません。 で行います。

  • ・DLが状況を描写し 「判定をします」 TIPS このとき、判定に使用する技能を指定することもできます。 と伝えます。
  • ・PLはロールプレイや行動に合わせ、 判定に使用する技能を提案できます。 TIPS DLは提案を受け入れるか判断します。
  • ・DLが判定に使用する技能を決定し、 「○○技能で判定してください」と伝えます。 TIPS 指定する技能に全共鳴者が使える「ベース技能」を入れるとよいでしょう。
    「〈聞き耳〉か〈*知覚〉で判定してください」のように指定します。(〈*知覚〉がベース技能)

レベル0の技能

共鳴者の取得していない技能はレベル0となります。
レベル0の技能で判定を行うことはできません。
技能の代用(後述)の他、 ベース技能で判定してもらうこともできます。 TIPS 例えば〈観察眼〉を持っていない場合に知覚系技能のベース技能〈*知覚〉で判定するなど。

技能判定の結果を描写する

共鳴者が鮮やかに成功をしたり、手痛い失敗をした場合は、判定結果にふさわしい描写を行ったり、ボーナス(ペナルティ)を与えたりできます。
以下にどういった対応をするべきか、指針を書きます。

  • ダブル(効果的成功) / トリプル(極限成功)
    ダブルやトリプルは通常よりも劇的な成功です。
    共鳴者がカッコよく、エレガントに活躍した様子を描写しましょう。
    DLの裁量で 軽いボーナス TIPS 効果的な成功をかっこよく描写する(あるいはPLに描写してもらう)のがよいでしょう。 を与えてもよいでしょう。
  • ミラクル(奇跡的成功)
    ミラクルは、運と能力が組み合わさったときに起きる奇跡的な成功です。
    DLの裁量で なんらかのボーナス TIPS よりよい結果にする。より詳しい情報を与える。別の場面で与えるはずの情報を与える。などです。
    判断に困ったら、以降の判定で一度だけダイスボーナス(後述)を1つ与えてください。
    を与えてもよいでしょう。
  • カタストロフ(災厄級成功)
    カタストロフは通常、人間が出すことはできません。
    しかし《怪異》の超常の力や、歴史に名を残すアーティファクトを行使すれば、起こり得るかもしれません。
    この場合、その行動が天変地異を起こしたり、周囲に甚大な影響を与えたり、歴史に爪痕を残したり、まさに災厄級の出来事がおこります。
  • ファンブル(致命的失敗)
    ファンブルは行動が裏目に出て事態が悪化するような失敗です。
    状況に応じて なんらかのペナルティ TIPS 判断に困ったら、即座に1D3のダメージを受けさせる、あるいは《共鳴》レベルを即座に1上昇させてください。 を与えてください。

    『エモクロアTRPG』はファンブルが出やすいため、ペナルティを数種類用意しておくとよいでしょう。

技能判定のカタストロフ

カタストロフ(成功数10以上)を出すためには最低でも技能判定のダイスを5個振る必要があります。
通常、 技能判定のレベル上限は3なので、 TIPS 〈∞共鳴〉を除きます。また〈∞共鳴〉のカタストロフでは天変地異は起きません。 共鳴者がカタストロフを出すことはありえません。

人間がカタストロフを出すためには、超常の力を利用することが不可欠です。
シナリオ内にそのような仕掛けをほどこす場合、カタストロフが出た場合、結果的に何が起きるのかをセットで記載することが望ましいでしょう。

判定の難易度

共鳴者の行動が専門性を必要とするものだったり、非常に難しい行動であった場合、ダブルやトリプルなど、より成功数の大きい結果を要求することができます。

レベル1の技能 TIPS ベース技能を含みます。 の成功数は最大ダブルまで、トリプル以上にはレベル2以上の技能が必須です。

難易度の目安

  • ダブルの成功が必要
    非常に難しい、高度な専門性を有する
  • トリプルの成功が必要
    極めて難しい、素人には不可能、極限の挑戦
  • ミラクルの成功が必要
    奇跡でも起きない限り不可能

シナリオによる難易度の指定

シナリオ中で難易度の高い行動に挑戦させる場合、 難易度の目安を記載する TIPS 「ここで姫を救出するには、〈スピード〉または〈★射撃〉などの専門技能でトリプル以上の成功が基準となります」などです。 とよいでしょう。

技能の代用

判定の際、DLは 「○○技能で判定します」 TIPS 単に「判定をします」と伝えても構いません。 とPLに伝えます。
このときPLは判定に使用する技能を提案できます。
DLは代用を認めるかどうかを決定してください。
代用を認めた場合は、提案された技能で判定を行います。

『エモクロアTRPG』では、この「技能の代用」を推奨しています。
より共鳴者らしい技能を使うことは、セッションの主役である共鳴者の活躍や、個性の発揮につながるからです。

「○○するのに使えそうな技能を持っていますか?」
と質問して提案を引き出しましょう。
判定に使用した技能でどのように行動を行うか描写すると(あるいはPLに描写してもらうと)共鳴者の個性が際立つでしょう。

提案された技能や行動が元々の想定よりも、 「難しい」「不利」「効果が薄い」のように判断したら TIPS 「警察を〈*格闘〉で殴って逃げたい」
「警戒された敵陣に〈隠匿〉で見つからずに潜入したい」などです。
ダブルやトリプルなどより成功数の大きい結果を要求したり、失敗の際のペナルティを示したりすることもできます。

提案された技能や行動が元々の想定よりも、「効果的」「有利」だと判断したら、ダイスボーナス(後述)を与えたり、成功の際の報酬を示したりすることもできます。

シナリオによる技能代用の制限

行動に高度な専門性を求められる場合や、特定の技能に精通している必要がある場合、シナリオで技能の代用を制限することもできます。

技能代用はなるべく制限せず、制限するのは どうしても必要な状況 TIPS 例えばハンドアウトで取得を指定した技能で判定するべきクライマックスの場面などです。 にとどめましょう。

ダイスボーナス

ロールプレイの結果やPLの工夫により、判定の場面で有利な状況が発生したり、効果的な作戦や行動が示されたりした場合、DLは判定で使うダイスの個数を増やすことができます。
これを「ダイスボーナス」と呼びます。
一度の判定で与えるダイスボーナスは、非常に有利な状況で1つ、極めて有利な状況で2つ程度です。

PLの素晴らしい提案は積極的に認めるとよいですが、あまりに容易に障害が乗り越えられてはドラマが生まれづらくなります。
2つ以上のダイスボーナスを与えることには慎重になったほうがいいでしょう。

対抗判定

複数人のロールプレイや行動が競合して、 勝敗や順位を決定したい場合 TIPS たとえば「徒競走の順位を決定する」「同時に宣言した相反した行動のどちらが成功するか決定する」などです。 「対抗判定」を行います。
対抗判定は、それぞれが判定を行い成功数を比較します。
成功数が大きい方が勝者となります。

行動により判定に使用する技能が違っていても構いません。

対抗判定で成功数が同じだった場合

対抗判定の成功数が同数の場合、以下の優先度で処理を行います。

  • 1. 守備側と攻撃側に分かれる場合 TIPS Aが隠し持った何かをBが暴こうとして、「A(守備側)の〈隠匿〉」vs「B(攻撃側)の〈観察眼〉」で対抗判定した場合など。
    (成功数が同数なら守備側のAの勝利となる)
    守備側の勝利となる。(守備側優先の法則)
  • 2.引き分けで構わない場合、引き分けとなる。
  • 3.決着がつくまで再度対抗判定を行う。

ラウンド進行

「戦闘」など、短い時間の中で複数人が同時に行動を行うシーンでは「ラウンド進行」を使用します。

ラウンド進行は、 行動順を決め、1人ずつ順に行動を行うルールです。 TIPS ターン制バトルのようなものと思えばイメージしやすいでしょう。
全員が一度ずつ行動し、一巡するまでを「ラウンド」と呼びます。

1ラウンドの長さは状況によってDLが決めてください。

ラウンド進行の手順

ラウンド進行は 以下のような手順 TIPS いずれかのステップを省略したり、順序が違っても構いません。 で行います。

  • ・ラウンド進行の終了条件を決める
  • ・ラウンド進行の開始を伝える
  • ・イニシアチブ値(=行動順)を決める
  • ・一人ずつ順に 行動を行う TIPS 必要に応じて判定を行います。
  • ・終了条件を満たすまでラウンドを繰り返す

終了条件

いつまでラウンド進行を行うか、「終了条件」を決めましょう。

終了条件の例

  • 戦闘
    敵か共鳴者の全滅 / 特定の敵を倒す / 敵○体を倒す など
  • 逃走
    3ラウンドの経過 / 回避行動の成功数合計5 など

ラウンド進行の終了条件をPLに伝えるかどうかはシナリオやDLの判断によります。

ラウンド進行の開始

「ラウンド進行を開始します」とPLに宣言してください。

宣言後に終了条件を決めても構いません。

イニシアチブ値(行動順)の決定

行動の優先度を示す「イニシアチブ値」を決定します。
このイニシアチブ値が大きい順に行動をすることになります。

イニシアチブ値は、ラウンド進行の行動で求められる「能力値」となります。
状況に合わせて能力値の中から1つをイニシアチブ値として採用してください。

「戦闘」や「逃走」なら【💪身体】、「捜索」や「追跡」なら【👂五感】などのように決めます。

場所や状況に合わせ、イニシアチブ値にプラス補正をする技能を設定することもできます。

イニシアチブ値の例

  • 戦闘 / 逃走
    【💪 身体】+〈スピード〉技能レベル
  • 水中での戦闘
    【💪 身体】+〈ダイブ〉技能レベル
  • 捜索
    【👂五感】+〈観察眼〉技能レベル
  • 議論
    【📖 知識】+〈ディベート〉技能レベル

シナリオでのイニシアチブ値の指定

「進行上、戦闘を避けられない」などシナリオ内でラウンド進行を想定している場合、あらかじめイニシアチブ値の計算方法を記載しましょう。

ラウンド進行が多いシナリオでは、事前情報としてイニシアチブ値の計算方法や、ラウンド進行に使用する技能を開示することも検討しましょう。

行動

各キャラクターはイニシアチブ値が大きい順に行動をします。
基本的には 1回の手番で1回の行動とその判定が行えます。 TIPS リアクション(後述)を除きます。
複雑な行動や時間がかかる行動などは、複数ラウンドを消費するとしてもよいでしょう。

複数ラウンドにまたがる場合、 処理の詳細はDLが決定します。 TIPS 行動の判定も複数回求めるか。
1度の判定でよいとするか。などです。

イニシアチブ値が同値の場合
それぞれが1D10を振り、より小さい数字が出たほうを先行とします。

行動を放棄することも、待機して行動順を後回しにすることもできます。
待機する場合、 そのラウンドの最後に再び行動順が回ってきます。 TIPS 複数人が待機を宣言した場合、ラウンドの最後での行動順はイニシアチブ値の「小さい順」となります。
ここで再び待機することはできません。

リアクション

自分に対する他者の行動 TIPS 自分への攻撃など。 が成功した場合、リアクションをとれます。
戦闘の場合、攻撃を回避したり防御したりする対応=リアクションとなります。

リアクションには
「対抗判定」で相手の行動を無効化するものと、
「行動判定」で相手の行動の結果を弱めるものの2種類があります。
対抗判定を使ったリアクション TIPS 回避など。 は、1人あたり1ラウンドに1回しか行えません。

リアクションは手番の行動と別に行うことができます。

  • 回避
    使用する技能:〈*運動〉〈アクロバット〉〈危機察知〉など
    回避は1人あたり、1ラウンド中に 1回しか試みることができません。 TIPS〈危機察知〉を取得している場合のみ、技能レベル回行えます。
    回避は対抗判定となります。
    判定の成功数が、攻撃の成功数以上だった場合、回避成功となります。
    回避に成功すると攻撃を避けてダメージを無効化できます。
  • 防御
    使用する技能:〈耐久〉など
    1ラウンド中何度でも行うことができます。
    防御は行動判定となります。
    判定に成功すれば相手の行動の成功数に関わらず、受けるダメージを防御判定の【成功数】点軽減できます。

リアクション専念

ラウンド開始時に「リアクション専念」を宣言することができます。
宣言により、そのラウンド中のイニシアチブ順の行動は放棄することになります。
リアクションに専念することで、以下の効果を受けられます。

  • ・対抗判定(戦闘の場合、回避)を行える回数+1
  • ・行動判定(戦闘の場合、防御)判定成功時の効果軽減量×2

ハウスルール・シナリオ内ルール
について

『エモクロアTRPG』では ハウスルール TIPS ホスト(家主)の決まりごと。
TRPGではホスト(多くはGM)が主催するセッションの独自ルールや進行時の決まりごとを指します。
や、シナリオ内ルールを認めています。
ルールのアレンジしやすさを考慮し、ラウンド進行のルールはシンプルになっています。
ラウンド進行を拡張したり追加ルールを設けたり、あるいは大元のルールを改変し自由に遊んでいただけます。

ルールブックの記載内容を変更した場合は、プレイ前やセッション中の必要なタイミングで変更したルールの詳細を提示してください。

シナリオでラウンド進行のルールを拡張/変更する

ラウンド進行のルールを変更した場合、ラウンド進行の前にルールの説明を行うようシナリオ内に記載してください。

特定の能力値や技能がことさら有利になるような変更を行う場合は、ハンドアウトを使って事前に開示するなど、公平性に留意することをおすすめします。

詳細なルールは開示せず、ハンドアウトで共鳴者の能力値や技能を指定してもよいでしょう。

HPとMP

HP(ヒット・ポイント、身体的耐久力)

  • HP

    HP(ヒット・ポイント)
    【💪 身体】+10

HPはキャラクターの体力です。
キャラクターがどの程度の身体的ダメージに耐えられるかを示します。
HPの初期値は、11〜16となります。
0になると「心肺停止(後述)」となり、復帰できなければ死亡します。

HPの回復

ダメージを受けた際、HPを回復する手段は以下のようなものがあります。

  • ゆっくり休息をとる / 1D3回復
    一晩程度、ゆっくり休息を取ることで、1D3のHPを回復できます。
    シナリオの指定などで、休息に要する時間を変更できます。
  • 休息時に〈医術〉に成功する / 追加で【成功数】D3回復
    一度の休息で、一度だけ行えます。
  • 傷に対し〈*手当て〉〈医術〉を行う / 【成功数】D3回復
    一度に受けたダメージに、1回だけ行えます。

【気絶】

現在のHPの半分以上を一度に失った場合、「気絶判定」を行います。
この判定に失敗すると【気絶】します。

「気絶判定」は〈*生存〉で行います。
〈耐久〉や〈根性〉で代用することもできます。

受けたダメージにより他の技能で代用しても構いません。水中での窒息なら〈ダイブ〉などです。

【気絶】の効果

【気絶】したキャラクターは意識を取り戻すまで一切の行動ができません。
この間、全ての行動に対して無抵抗になります。

気絶の期間

【気絶】は、 通常1D10×10分間継続します。 TIPS シナリオやDLの判断で期間を調整して構いません。

ラウンド進行中に【気絶】した場合、自分の手番に 回復の判定を行えます。 TIPS 基本的に〈*生存〉で判定を行います。
気絶判定同様、〈耐久〉や〈根性〉で代用できます。

この判定に成功すると意識を取り戻せます。

【心肺停止】

キャラクターのHPが0以下になると、 【心肺停止】となります。 TIPS 〈根性〉技能を持っていると、【心肺停止】になることを回避する判定を行うことができます。
詳しくは技能一覧をご参照ください。

キャラクターが【心配停止】になると、即座にラウンド進行が開始します。
【心肺停止】のキャラクターは一切の行動ができません。

新たにラウンド進行がはじまる場合、イニシアチブ値は【👋器用】です。

既にラウンド進行中の場合、そのラウンド進行がそのまま継続します。

【死亡】

各ラウンドの終了時 TIPS ラウンド終了直前にキャラクターが【心肺停止】になった時など治療を行えるタイミングが一切入らない場合、DL判断により〈*生存〉判定が発生するのは次のラウンドからとしてもかまいません。 に〈*生存〉判定が発生します。
この判定に失敗した場合、そのキャラクターは【死亡】します。

この〈*生存〉判定は他の技能で代用できません。

【心肺停止】からの復帰

以下の条件のいずれかを満たすと【心肺停止】から復帰できます。

  • ・他者が〈★蘇生〉判定に成功する。
    (HPは1まで回復する)
  • ・他者が〈*手当て〉や〈医術〉で傷の治療をしてHPが1以上まで回復する。

つまり【心肺停止】から自分自身で復帰する方法はありません。

MP(メンタル・ポイント、心的耐久力)

  • MP

    MP (メンタル・ポイント)
    【😶 精神】+【📖 知力】

MPはキャラクターの心の耐久力です。MPは強いストレスなどで消耗します。
魔術的な力とも直結しています。 TIPS 《怪異》を呼ぶ儀式などで消費したり、魔術具の使用に必要だったりするかもしれません。
MPの初期値は2〜12となります。

回復

MPは、 ゆっくりと休息 TIPS 一晩程度ゆっくり休息を取ることを指します。
シナリオの指定などで、休息に要する時間を変更できます。
をとると最大値の半分(端数切り上げ)が回復します。

失神

キャラクターのMPが0以下になった場合、〈*自我〉で判定を行います。
成功するとMPは1まで回復しますが、失敗すると【失神】します。

【失神】の効果

【失神】したキャラクターは、意識を取り戻すまで一切の行動ができません。
この間、全ての行動に対して無抵抗になります。

【失神】の期間

【失神】は通常 1D10×10分間継続します。 TIPS シナリオやDLの判断で期間を調整して構いません。

共鳴と《怪異》

《怪異》の気配や超常現象、あるいは彼らに歪められた強い感情などを間近に感じた際、人は彼らの影響を受け、感情や魂が侵食されていきます。
そういった不思議な力に引き寄せられ、影響を受けることを、『エモクロアTRPG』では「共鳴」と呼びます。

〈∞共鳴〉技能

〈∞共鳴〉は共鳴者が《怪異》からどの程度の影響を受けているのかを表す技能です。
〈∞共鳴〉はセッション中に徐々に技能レベルが上昇していくという特殊な性質を持ちます。
共鳴すればするほど……共鳴者が《怪異》の影響を受ければ受けるほど、徐々に〈∞共鳴〉技能のレベルが上昇していきます。

〈∞共鳴〉レベルの初期値

セッション開始時、〈∞共鳴〉のレベルは1 TIPS 共鳴者作成の段階で、技能ポイントを消費して2レベル以上で取得している場合は、その数値が初期値となります。 です。

セッションを無事に生還した共鳴者が、次に別のセッションに参加することになった時、 〈∞共鳴〉のレベルは初期値まで戻ります。 TIPS キャンペーン・シナリオ(一連の続きものシナリオのこと)では、前のセッションで上がった〈∞共鳴〉レベルの一部を引き継いでも構いません。

【逸脱】

〈∞共鳴〉のレベルは《怪異》の影響を受けるほど上昇します。
【逸脱】は、共鳴者の〈∞共鳴〉レベルが人としての許容量を超えた状態です。

〈∞共鳴〉の、人としての限界値は9までです。
〈∞共鳴〉の技能レベルが10に到達すると、共鳴者は【逸脱】してしまいます。

【逸脱】すると、人としての意識を保てなくなり、《怪異》に身体を乗っ取られてしまったり、あるいは自身が《怪異》と同等の存在になってしまったり、あるいは自我が崩壊して廃人となってしまったりします。
【逸脱】した共鳴者はPLの手を離れ、NPC化してしまいます。

【逸脱】によるロスト

セッション終了時に【逸脱】したまま TIPS セッション中に【逸脱】状態から戻ってくる手段は、通常は[∞残響](※後述)を消費することのみです。
ただし、シナリオによっては【逸脱】からの回復手段が示されている場合があるかもしれません。
の共鳴者はキャラクターロストし、以降のセッションで使用することができなくなります。

【逸脱】を前提にしたシナリオ

共鳴者が【逸脱】すると、《怪異》の力を得ることで人ではなしえない強力な判定を行えたり、通常知り得ない《怪異》の心の内を覗けたりするかもしれません。
【逸脱】をどう利用するかはシナリオの工夫次第です。

なお、セッション終了までに【逸脱】した共鳴者の〈∞共鳴〉レベルを下げる手順は 『エモクロアTRPG』のシステム側では用意していません。 TIPS 残響効果「ノイズゲート」を除きます。

セッション終了時に共鳴者をロストさせたくない場合、〈∞共鳴〉のレベルが下がるイベントをシナリオ側で用意してください。

共鳴判定

〈∞共鳴〉技能による判定が「共鳴判定」です。
《怪異》による浸食に、共鳴者が影響を受けたかどうかを判定します。

共鳴判定の説明動画

共鳴判定の解説動画(5分43秒)です。

いつ共鳴判定を行うか

共鳴判定は《怪異》の影響に遭遇した場合に発生します。

  • ・怪異そのものに出会った
  • ・怪異からの干渉を受けた
  • ・怪異からの 間接的な影響 TIPS 例えば、《怪異》の影響を受けた、人、物、場所などからの影響です。 を感じた

共鳴判定の方法

シナリオでは共鳴判定は、以下のような書式で示されます。

  • 共鳴判定(強度5/上昇1)/ ∞共鳴感情:[憧憬(理想)]
    「強度」「上昇値」「共鳴感情(感情属性)」の3点を記載。

共鳴判定は〈∞共鳴〉技能を使い、他の判定と同じく、技能レベル個のダイスを振って、成功数で判定します。
ただし、他の技能と違う以下の3つの要素があります。

  • ・強度
  • ・上昇値
  • ・共鳴感情(感情マッチング)

強度

共鳴判定の強度は、共鳴判定における 判定値 TIPS [○○DM<=××]
の××の部分です。
となります。
強度は《怪異》からの影響の強さを表しています。 TIPS 《怪異》が近くにいて、共鳴者に積極的に働きかけてくるなどの場合、強度は高くなります。
《怪異》の影響が残っている場所で、その気配に気づいたなどの場合、強度は低くなります。

強度が高いほど、 《怪異》の影響を受けやすい TIPS =共鳴判定に成功しやすい ということになります。

詳細は「強度の指針」の項目をご覧ください。

上昇値

共鳴判定の上昇値は成功した際に、〈∞共鳴〉技能レベルが上がる値です。
上昇値は《怪異》による浸食の度合いを表します。

共鳴判定に成功すると、対象から浸食を受け《怪異》の影響を受けやすくなります。
このとき、上昇値分だけ〈∞共鳴〉のレベルが上昇します。

共鳴判定の成功度が高かったとしても、 上昇値は変わりません。 TIPS 共鳴判定の結果がダブルやトリプルでも上昇値は通常成功と同じです。

上昇値の目安

上昇値は通常1レベルとなりますが、シナリオやDLの判断で増減できます。
たとえば非常に強力な影響を受ける判定では、上昇値が2だったり1D3だったりしてもよいでしょう。

共鳴感情(感情マッチング)

共鳴判定で指定される共鳴感情は、《怪異》など共鳴の対象が放つ感情です。
《怪異》は、この共鳴感情を使って共鳴者を浸食してきます。

共鳴者が持っている感情 TIPS 「表」「裏」「ルーツ」の共鳴感情です。 と、対象の放つ感情がマッチすると影響を受けやすくなります。 これを「感情マッチング」と呼びます。

感情マッチングで一致があると、 共鳴判定のダイスの数 TIPS [○○DM<=××]
の○○の部分です。
が増えます。
感情マッチングでダイスが増えるパターンは以下の2種類です。

  • 完全一致 / ダイスの数 =(技能レベル×2)
    共鳴者の共鳴感情(「表」「裏」「ルーツ」)のうち、どれか一つでも《怪異》の共鳴感情と同一だった場合。
  • ルーツ属性一致 / ダイスの数 =(技能レベル+1)
    共鳴者の共鳴感情「ルーツ」感情属性(欲望、情念、理想、関係、傷)と、《怪異》の感情属性が同一だった場合。

「完全一致」と「ルール属性一致」の効果は重複せず、より影響の大きい方のみが適用されます。

感情マッチングの確認

感情マッチングはDLが確認し、 該当PLに振るダイスの数が増えることを伝える TIPS 「憧憬の共鳴感情を持つあなたは、この《怪異》と非常に強く共鳴しました。振るダイスの数を×2してください」といった風に伝えます。 とよいでしょう。
DLは共鳴者たちの「共鳴感情」をいつでも閲覧できるようにしておきましょう。
セッション開始前にシナリオとキャラクターシートを参照し、事前にチェックしておくとなお良いです。

共鳴判定の強度の指針

  • 1~2
    ・《怪異》の微かな残り香程度の影響
    ・共鳴する感情の持ち主が無関係な他人
  • 3~4
    ・《怪異》の力が比較的弱い
    ・強力な《怪異》がかつてそこに居た痕跡を感じる
    ・共鳴する感情の持ち主に若干の感情移入をしている
  • 5~6
    ・《怪異》の力が比較的強い
    ・近くに《怪異》の存在を感じる
    ・共鳴する感情が非常に強く、共感性が高い
    ・共鳴する感情の持ち主にかなりの感情移入をしている
  • 7~8
    ・一般人にも認識できるレベルの強力な《怪異》
    ・間近に《怪異》の存在や驚異をハッキリと感じる
    ・怨念じみた強烈な感情がその場を支配している
    ・共鳴する感情の持ち主と非常に親しい間柄
  • 9~10
    ・世界法則を書き換える災厄級の《怪異》
    ・強烈な意思により《怪異》が憑依しようと試みている
    ・強制的に感情を塗り替える程の支配的な力が働いている
    ・共鳴する感情の持ち主が自分自身

以上はあくまでも指針であり、シナリオ内の設定などに合わせて変動させて構いません。

共鳴判定のダイスボーナス

共鳴者の設定やロールプレイが、《怪異》などに強く共鳴している、ないし共鳴したいという意思を感じる場合には、DLは共鳴判定にダイスボーナスを与えることができます。

極限共鳴ハウリング new!

極限共鳴ハウリングは、《怪異》に共鳴者の共鳴感情がフィードバック(帰還)されることで、短時間に連続的な共鳴が起きる現象です。
共鳴判定の結果がトリプル(極限成功)以上だった場合、「ハウリング」が発生します。

「ハウリング反応」を決定する

共鳴者の精神や肉体が、「ハウリング」を拒絶したり、同調したり、理解したり、受け入れたりする様子が「ハウリング反応」です。

以下の2つの方法のどちらかで共鳴者に起きた「ハウリング反応」を決定します。

  • 1.極限共鳴ハウリングカード new!
    ハウリングカードには1枚に1種類のハウリング反応が記載されています。
    《怪異》ごとに定められた6枚のカードデッキから、PLが1枚を引いてハウリング反応を決定します。
    ハウリングカード-裏面
    ハウリングカード「幻視」

    詳細な説明とダウンロードはハウリングカード のページをご利用ください。

  • 2.共鳴表
    共鳴表には《怪異》ごとに定められたハウリング反応が6種類記載されています。
    PLが1D6を振り、ハウリング反応を決定します。
    汎用共鳴表(伝承タイプ)
    1 恐慌 きょうこう 《怪異》の異常な気配に身体がすくみ、動けなくなる。
    【💪 身体】を使用する技能は成功数-1される。
    「襲い来る悍ましい恐怖が、私をその場へ釘付けにしたのだ。」
    2 幻覚 げんかく 見えないはずのものが見え、聞こえないはずの音が聞こえる。しかし、それは本当に存在しない声だろうか?
    《怪異》に関する情報を1つ入手する。
    「驚嘆すべき事実が、途方もない現実感をもって齎された。」
    3 共振エンパシー 《怪異》との親和性が高まり、影響を受けやすくなった。
    対象の《怪異》の共鳴感情をひとつ追加で獲得。
    「私たちは通じ合ってる。そうでしょ?」
    4 偏執狂 パラノイア 極度に肥大化した不安や妄想に囚われ、現実の認知が難しくなる。
    【👂五感】を使用する技能は成功数-1される。
    「どうせお前も裏切るんだろう……!」
    5 霊感獲得 れいかんかくとく 《怪異》の影響で、見えないものが見え、気づけなかったものに気づけるようになる。
    シナリオ中〈★霊感〉レベル+1。
    「ほら! いるでしょう、そこに!」
    6 目眩 めまい 《怪異》の強力なオーラにあてられ、立っていられないほどの目眩に襲われる。
    1D10分間、全ての判定の判定値−2。
    「目が、目が回る!」

独自の怪異とハウリング反応

シナリオ独自の《怪異》をつくる場合、「ハウリング反応」も決めましょう。
《怪異》のタイプに分かれている「汎用デッキ(汎用表)」を採用してもいいですし、70種類以上の「ハウリング反応」から組み合わせてデッキ(表)を作ることもできます。
もちろん《怪異》に合わせてオリジナルの「ハウリング反応」を創作しても構いません。

憑依判定

【憑依】とは《怪異》が取り憑くことです。
《怪異》が共鳴者に【憑依】しようとした場合、「憑依判定」という特殊な判定が発生します。

「憑依判定」の方法

憑依判定は、以下のような書式で示されます。

  • 憑依判定(強度8)/ ∞共鳴感情:[憧憬(理想)]
    「強度」「共鳴感情(感情属性)」の 2点を記載。 TIPS 特に強大な《怪異》の場合、上昇値を記載しても構いません。

憑依判定は共鳴判定と同じく〈∞共鳴〉技能を使い、判定します。

「憑依判定」の特色

憑依判定は共鳴判定と同様の判定方法ですが、異なる点があります。

  • 〈∞共鳴〉が1上昇
    判定の成否に関わらず、《怪異》が憑依を試みただけで〈∞共鳴〉のレベルが上昇します。
  • 「極限共鳴」が発生しない
    成功度がトリプルを超えてもハウリング反応がおきません。

【憑依】の条件

  • 1. 「憑依判定」の成功数が、共鳴者の【😶精神】以上。
  • 2. 〈*自我〉で判定を行い失敗。
  • 3. 1.2.の条件を共に満たすと【憑依】状態となります。

明け渡し

「憑依判定」に成功した時、共鳴者は自分の身体を「明け渡す」ことを宣言できます。
この場合は、即座に【憑依】状態となります。

例外条件

《怪異》は多様です。
共鳴者が【逸脱】した隙に即座に【憑依】を行うものや、【憑依】のための特殊な条件を満たせば判定なしに【憑依】が行えるもの、強大な力で「憑依判定」にダイスボーナスをたくさん付加するものもいます。
そのような《怪異》ごとの特徴や、シナリオの指定は「憑依判定」のルールよりも優先されます。

憑依時の変異

【憑依】された共鳴者に起きる変異は、《怪異》ごとに様々に異なります。
「怪異事典」では「憑依時の変異」の項目に、その《怪異》に取り憑かれたときの状況を示しています。
ここではいくつかの類型を示します。

  • NPC化
    共鳴者は自我を失う。《怪異》は共鳴者の身体を自由に扱える。
    行動内容はDLの意図を優先しつつ、PLの意見を参考にしてもよいだろう。
    このままシナリオエンドを迎えた場合、ロストとなる。
  • 乗っ取り
    共鳴者は自我を保つ。《怪異》は共鳴者の身体を自由に扱える。
    行動はDLが決定し、PLは肉体が勝手に行動をするロールプレイを行う。
    憑依が解除されたとき、その行動の責任は共鳴者がとることになるだろう。
  • 吸収
    共鳴者の自我は《怪異》に取り込まれてしまう。
    意識は《怪異》の自我に飲み込まれるが、共鳴者の強い思いは行動に反映されるかもしれない。
  • 同化
    共鳴者は自我を保ちつつ《怪異》の自我と同化する。
    《怪異》の自我が優先されるが、場合によっては共鳴者の意思がある程度行動に反映できるかもしれない。
  • 能力強化
    共鳴者の中に《怪異》の自我が流れ込んでくる。
    感情の濁流に耐えられれば、《怪異》の能力や知識を使えるかもしれない。

【憑依】の解除

【憑依】を解除する方法があるのか、そもそも解除されるかどうかさえ、《怪異》やシナリオにより様々に異なります。
《怪異》が目的を達したり、取り憑いた肉体が滅びたり、あるいは単に共鳴者の肉体に飽きたりすれば【憑依】は解除されるのかもしれません。

【憑依】の取り扱い

シナリオに登場する《怪異》が憑依を行うタイプの場合、以下の要素を決めておくとよいでしょう。

憑依対象の選択
複数の共鳴者の中で 誰に憑依するか TIPS 【😶精神】の能力値が低いもの、
《怪異》が好む感情を持っているもの、
〈∞共鳴〉レベルが高いもの、
あるいは全員、など。

憑依方法
通常の「憑依判定」か、特殊な処理か

憑依時の変異
憑依された共鳴者と《怪異》にどのような変異が起きるのか

行動指針
《怪異》に肉体の主導権がある場合、どのように行動するか

解除方法
憑依が解除される場合、その方法や条件

なお、【憑依】によりPLが共鳴者を主体的に使えなくなる局面では、極力事前にその情報をPLに伝えましょう。

注意:感情の連続性に配慮しよう

キャラクターを「自ら作り出し」「演じる」という特性上、多くのPLにとって共鳴者は単なるゲームの駒ではなく、エモクロアの世界に実在する自分の分身のような存在となります。

《怪異》は人の感情に影響を及ぼし、場合によっては大きくその感情を歪ませ、あるいは新たな感情を植え付けます。
この感情の変化が物語のエッセンスになるのが『エモクロアTRPG』の大きな特徴ですが、同時にPLにストレスを与えるリスクにもなりえます。

自分がロールプレイする共鳴者が、あまりにも意図していない感情を急に持たされたり、あるいは元々あった感情を望まぬ形に歪められたりする時、PLは戸惑ったり、忌避感を示す可能性があります。
『エモクロアTRPG』はそもそもそういった感情変化を物語に取り入れたゲームではありますが、だからといってPLの満足度や楽しみを犠牲にしてまで強く押しつけてよいものではありません。
感情の変化を楽しめているか。ストレスになってはいないか。
シナリオを作成したりセッションを進めていく上で、DLはこの点に十分配慮をして運用していただければと思います。

[∞残響](セッションクリア報酬)

[∞残響]は『エモクロアTRPG』のセッションクリア報酬です。
共鳴者が【死亡】や【逸脱】することなく生還した場合、セッションクリア報酬として共鳴者は[∞残響]を得ます。

[∞残響]とは、物語中に受けた共鳴の残り香、欠片のようなものです。
《怪異》がいなくなり、事件が解決しても、彼らの影響は完全に消えてしまうわけではありません。
事件を経験した人たちに残った感情として、あるいはもっと直接的な《怪異》からの魔力として、ほんの少しですがこの世界に残り続けます。

[∞残響]はその共鳴者で遊んだシナリオの履歴、
あるいはトロフィーであり、共鳴者が経てきた経験、そこで得た思い出や感情の記録でもあります。

[∞残響]の獲得

シナリオをクリアした際に、各共鳴者は[∞残響]を一つ獲得します。

キャラクターシートの[∞残響]の欄に「シナリオ名」「そのセッションで得た感情」を記録しましょう。

  • [∞残響:シナリオ名/感情]
    感情は共鳴者ごとに、各PLが自由に記載できます。

感情の欄には《怪異》が持っていた共鳴感情をそのまま記載してもいいですし、あるいは他の共鳴者やNPCなどとの関わりの中で得た感情を具体的に記載しても構いません。
書き方は自由です。
「哀しみ」「**との友情」「思い出せない誰かへの追憶」など、あなたらしい記載をしてください。

残響効果

共鳴者は[∞残響]を消費し、「残響効果」を得ることができます。

[∞残響]は過去の物語の残り香。ほんの少しだけ残された力の欠片です。

ひとつの[∞残響]は、共鳴者の生涯を通じて一度しか使用できません。
残響効果を得た後に[∞残響]は消え、二度と使用することはできなくなります。

残響効果を得たら、キャラクターシートの[∞残響]に消費済みチェックをつけてください。

残響効果の種類

残響効果には以下の3つがあります。
3つのうち、どれか1つを選んで使用します。

  • 残響効果:ハーモニー
    使用タイミング:判定の直前
    効果内容:現在の〈∞共鳴〉レベルと同数だけ振るダイスの数を増やす。
    共鳴者の中に残る[∞残響]を、今対峙している《怪異》の力の波長と調和させ、一時的に人間の限界を超えた超常の能力を得ることができる。
  • 残響効果:エコー
    使用タイミング:判定の直後
    効果内容:直前の判定のダイスロールを振り直す。
    今見えた情景は[∞残響]が見せた「ありえた結果」の予感だった。
    直前の判定は無かったことになり、再度同じ状況で同じ行動をやり直すことができる。
  • 残響効果:ノイズゲート
    使用タイミング:いつでも
    効果内容:即座に〈∞共鳴〉レベルを1D3点減少する。
    今まさに共鳴者を侵蝕しようとしている《怪異》に対して、かつての《怪異》の[∞残響]が反発し、中和し、その影響を減衰させる。
    この効果は〈∞共鳴〉レベルが10以上になり【逸脱】状態になった共鳴者でも使用することができる。その結果レベルが9以下になった場合、【逸脱】状態は解除される。

クイックスタート

初めてTRPGに触れる人たちでセッションを行う、あるいはとにかく短時間ですぐに遊び始めたい場合などは、クイックスタートルールを採用することができます。

クイックスタートルールでは、共鳴者作成の手順のうち 能力値の決定以降の全てを省略します。

そして全ての判定を「ベース技能」と〈∞共鳴〉のみで行います。
共鳴判定における感情マッチングなど、準備していないデータを使用するルールを全て省略・簡易化して行うことでセッションを進めてください。

全てのシナリオがクイックスタートルールで遊べるわけではありません。
クイックスタートルールが採用できるかどうかは、シナリオごとにDLが各自判断してください。


『エモクロアTRPG』は、TRPG基幹システム
「ダイスタス」を利用して制作されています。

ダイスタス