プレイヤー・セクション

《怪異》に共鳴し、導かれた“共鳴者”たちよ。
この物語を紡ぐのは、あなたたちの感情、行動、そして決断だ。

ここでは『エモクロアTRPG』をプレイヤーとして遊ぶための基本ルールを説明します。

ディーラーとしてセッションを進行する場合や、より詳しいルールを知りたい場合、こちらを読んだあと「ディーラー・セクション」に進んでください。

目次

共鳴者作成

ロールプレイ

判定

共鳴者作成

偶然、運命のいたずら、誰かの策略、あるいはあなた自身の意志によって……。
いずれにせよ、あなたは共鳴し、選ばれた。《怪異》にまつわる物語の登場人物に。

PLがセッションで操るプレイヤー・キャラクターを『エモクロアTRPG』では「共鳴者」と呼びます。
これから紡がれる物語の主役のひとり、共鳴者を作ることから『エモクロアTRPG』はスタートします。

共鳴者……それは、物語に“共鳴”し事件の当事者となった人のことです。
彼らが共鳴したのは、《怪異》そのものかもしれませんし、関わる人々の感情かもしれません。あるいは物語そのものに共鳴することもあるかもしれません。
共鳴に特別な才能は必要ありません。偶然、因果、相性……さまざまな理由により、 どんな人でも物語に共鳴する可能性を持っています。 TIPS つまり『エモクロアTRPG』における共鳴者は、一定の特徴や能力、使命などを持った人々ではありません。
職業や能力、バックボーンなどは千差万別です。DLやシナリオ、セッションに参加する仲間が認める限り、自由にキャラクターの設定を決めることができます。

キャラクターシート

これから作成する共鳴者の設定やデータを書き込むためのシートを用意します。
『エモクロアTRPG』ではオンライン・キャラクターシートが用意されていますので、こちらにログインしてキャラクター作成画面を開いてください。

キャラクターシート

キャラクター設定

まずは共鳴者のキャラクターをイメージし、 設定 TIPS 遊ぶシナリオによっては、DLから設定の条件を提示されるかもしれません。 を考えましょう。
あなた自身に似た人物でもよいですし、全く違った人物でもかまいません。
事前に ハンドアウト TIPS シナリオの事前情報や、共鳴者に付与される役割や設定などが記載された配布物。
シナリオによってその記載内容は千差万別です。
が渡されている場合、そこに書かれている内容を前提にイメージを考えましょう。

設定は大まかに以下のようなことを決めるとよいです。
全てを決める必要はありませんし、これ以外の事を細かく決めてもかまいません。

名前、年齢、性別、出身地、職業、性格、外見的特徴、
経歴(過去の特筆すべき出来事)、関係ある人々、好きなもの・嫌いなもの

コンバート

他のTRPGのプレイヤーキャラクターや、創作キャラクターを 『エモクロアTRPG』用にコンバート(転換) TIPSコンバートしたキャラクターを同一の存在として扱うか、『エモクロアTRPG』の世界(パラレルワールド)に紛れ込んだ別の存在として扱うか、プレイ前に決めておくとよいでしょう。 して共鳴者として扱うこともできます。
逆に『エモクロアTRPG』用に作成した共鳴者を、他のTRPGにコンバートしたり、自身の創作物に登場させたりすることもできます。

コンバートはあなた自身の創作キャラクターを前提にしています

継続共鳴者

一度セッションで使用した共鳴者を別のセッションで再度別のセッションに登場させることもできます。
DLに「継続共鳴者で参加したい」と伝えて 許可をもらいましょう。 TIPS継続共鳴者だとセッション上不都合な場合があります。継続共鳴者での参加を希望する場合、必ずDLに申請してください。

能力値

共鳴者には以下の8種の能力があります。能力値を決めましょう。

シナリオなどの創作物で能力名を表示する場合、絵文字を省略しても構いません。

  • 身体

    💪 身体
    筋力や運動能力などの身体的な能力。
  • 器用

    👋 器用
    手先の器用さや技術、芸事や工作などをこなす能力。
  • 精神

    😶 精神
    感情の豊かさや意志の強さ、共感力などの精神的な能力。
  • 五感

    👂 五感
    五感を用いて何かを察知する感覚的な能力。
  • 知力

    📖 知力
    論理的に考え判断したり、情報を記憶・処理する能力。
  • 魅力

    💘 魅力
    外見的な魅力やカリスマなど、人に好かれる能力。
  • 社会

    💳 社会
    立場や信用、資金力や教育レベルなどの社会的な能力。
  • 運勢

    🎲 運勢
    天性の運の良さ。運命力。

各能力値は1~6の数字(整数)で表され、 数字が大きいほど高い力を持ちます。 TIPS 3~4が平均的な人間の能力値です。

【🎲 運勢】以外の7つに、 合計25点の能力値を自由に割り振ってください。 TIPS オンラインキャラクターシートにはランダムボタンがあり、能力値を振り分けることができます
振り分けた能力値を修正することもできます。

【🎲 運勢】は6面ダイスを1つ振り、その出目が能力値となります。

  • ・能力値は0以下や7以上にすることはできません
  • ・ここで余らせた能力値は消滅してしまいます。25点全てを振り分けましょう

HPとMP

能力値を決めたら、 HPとMPを計算します。 TIPSオンラインキャラクターシートでは自動的に計算されます。

  • HP

    HP(ヒット・ポイント)
    【💪 身体】+10
  • MP

    MP(メンタル・ポイント)
    【😶 精神】+【📖 知力】

技能

技能を取得します。
技能は共鳴者が身につけているスキルのことです。キャラクターの行動判定に使用します。
技能の詳細は 技能一覧で確認してください。

技能にはレベルがあり、原則的にレベル3が最大です。

  • レベル0 / 素人
    寡聞、不得手、あまり詳しくない
  • レベル1 / 心得
    趣味、人より少し得意、かじったことがある
  • レベル2 / 習熟
    得意分野、専門職、プロとして生計が立てられる
  • レベル3 / 一流
    世界レベル、その道で名が知られている、達人

取得していない(レベル0の)技能では判定できません。後述するベース技能を使います。

技能は 合計30点の技能ポイント TIPS ここで余らせた技能ポイントは消滅してしまいますので、基本的には使い切りましょう。 を消費して取得します。
技能レベルが高くなるほど消費ポイントは大きくなります。

レベルごとの消費ポイントは以下の通りです。
レベル1 …… 1ポイント
レベル2 …… 5ポイント
レベル3 …… 15ポイント

  • 技能レベル取得の例
    レベル3×1 = 15ポイント
    レベル2×2 = 10ポイント
    レベル1×5 = 5ポイント
    合計30ポイント
    合計30ポイント以内なら、自由な組み合わせで技能を取得できます。
    レベル1の技能を30種類取得しても、レベル3の技能だけを取得しても構いません。

技能体系

技能には 調査系技能 TIPS〈*調査〉〈検索〉〈洞察〉〈マッピング〉〈直感〉〈鑑定〉 知覚系技能 TIPS〈*知覚〉〈観察眼〉〈聞き耳〉〈毒見〉〈危機察知〉〈★霊感〉 などの技能体系があります。

ベース技能

〈*知覚〉のように、技能名に*がついている技能が「ベース技能」です。
ベース技能は誰もが最初から持っている技能です。
各共鳴者の基礎的な能力を表し、 レベルは1で固定 TIPS技能ポイントを消費してもレベル2以上にすることはできません。 されています。

取得していない(レベル0の)技能の代わりに ベース技能で判定 TIPS例えば〈観察眼〉を持っていない場合に知覚系技能のベース技能〈*知覚〉で判定するなど。 できます。

シナリオの指定やDLの判断により、代替判定が許可されない場合があります。

EX技能

〈★霊感〉のように、技能名に★がついている技能を「EX技能」です。
EX技能は効果が強力な技能です。
EX技能の取得には通常の 2倍の技能ポイント TIPS レベル1 …… 2ポイント
レベル2 …… 10ポイント
レベル3 …… 30ポイント
EX技能をレベル3で取得すると、それだけで技能ポイントを全て消費します。
を消費します。

〈∞共鳴〉

『エモクロアTRPG』で最も重要で、最も特殊な技能が 〈∞共鳴〉 TIPS 「きょうめい」と読みます。∞は発音しません。 です。
〈∞共鳴〉は全ての共鳴者が最初から、 レベル1で取得しています。 TIPS共鳴者である限り〈∞共鳴〉から逃げることはできません。
《怪異》に影響されやすい共鳴者を作りたい場合は、技能ポイントを消費して2レベル以上で取得することもできます。

《怪異》の気配や超常現象、あるいは彼らに歪められた強い感情などを間近に感じた際、共鳴者はそれらと共鳴し、侵蝕されていきます。
〈∞共鳴〉は、どのくらい《怪異》から浸食されてしまったか を表す技能です。

共鳴が起きると「共鳴判定」という特殊な判定が発生し、 〈∞共鳴〉の技能レベルが次第に上がっていきます。 TIPS 〈∞共鳴〉の技能レベルは4以上になりえます。

〈∞共鳴〉の技能レベルが上がるにつれ、共鳴者はどんどん《怪異》に侵蝕され、彼らの影響を強く受けるようになっていきます。
感情が歪められ、精神に変調をきたし、身体に異常が起き、あるいは怪奇現象に巻き込まれるかもしれません。

〈∞共鳴〉の人としての限界値は9です。
もしも技能レベルが10以上になってしまったら……その共鳴者は「逸脱」し、取り返しのつかない何かが起きてしまうことでしょう。

詳しくはディーラー・セクションの 共鳴と《怪異》の項目を読んでください

判定値

各技能には「判定値」があります。
判定値が大きいほど判定が成功しやすくなります。
判定値は基本的に能力値と技能レベルで決まります。

  • 〈聞き耳〉→ 【👂五感】の能力値+〈聞き耳〉の技能レベル
  • 〈スピード〉→ 【💪身体】の能力値+〈スピード〉の技能レベル

ただし、一部の技能では判定値の計算方法が異なっています。
技能によっては 参照する能力値を選択 TIPS任意の能力を選べますが、キャラメイク以降は変更できません。 できたり、技能レベルが上がっても判定値が変わらないものもあります。

なお、オンラインキャラクターシートでは、判定値は自動で計算されます。

判定値の計算式は 技能一覧 に、各技能ごとに記載してあります。 

共鳴感情

共鳴者が、どのような感情と共鳴しやすいかを表すのが「共鳴感情」です。
共鳴感情がセッション中に遭遇する《怪異》の性質や、出会う人々の強い感情と近い場合、《怪異》からの影響をより強く受けてしまうことでしょう。

共鳴感情一覧の中から、その共鳴者が抱えている感情や、共感したり、影響を受けやすい感情 3つ選択してください。 TIPS基本的に3種類の異なる感情を選択します。

選択した3つの共鳴感情を、「表」「裏」「ルーツ」にそれぞれひとつずつ割り振ります。

  • 外面に出ていたり、人から認識されていたり、自身で認識していたりする感情。
  • 内面に潜む隠れた感情。秘められた、あるいは自身も自覚していないような感情。
  • ルーツ
    今の人格形成の起源となった感情。あるいはもっとも根源的な感情。

以上で共鳴者の作成は終了です。

ロールプレイ

セッションでは、PLは共鳴者をロールプレイしながらゲームを進めていきます。
ロールプレイとは、キャラクターの役をこなし、動かすことを言います。

ロールプレイには様々なやり方があります。以下にいくつかのロールプレイの例を記載します。
自分たちにあったやり方でロールプレイを楽しみましょう。

  • 演技 / キャラの立場でセリフを口にするなど
    「バ、バカらしい!幽霊なんているわけないだろ?!い、行くぞ!」
  • 行動描写 / キャラの様子や行動を描写する
    青ざめた顔で虚勢を張って、それでも奥へとゆっくりと進みます。
  • メタ描写 / PL視点から行動を描写したり、メタ宣言をする
    私の共鳴者は見栄っ張りなので、怖がっていますが先に進みます。
    このまま進むとヤバそうなのでなんとか止めてもらいたいです。
  • 複合 / 上記のようなことを複合的に行う
    「バ、バカらしい!幽霊なんているわけないだろ!」
    と真っ青な顔で虚勢を張って、それでも奥に進もうとします。
    でも、心の中では(い、いるわけないだろいるわけいるわけ……)とパニックになっています。
    このままだとヤバいので誰か止めてくれると助かります!

どのようにロールプレイしたいか(してほしいか)希望があるときは、一緒に遊ぶ人同士で話し合っておくことをおすすめします。

ロールプレイの結果、共鳴者が何らかの行動を行うことになった時に、それが成功するか失敗するか、行動の結果どういった事が起こるかなどを判断するために「判定」を行うことがあります。

判定

キャラクターの行動の成否、結果などを、ダイスを振って決定するのが「判定」です。
『エモクロアTRPG』は、ロールプレイと判定を繰り返して進行していきます。

判定の説明動画

技能判定の解説動画(3分50秒)です。

プレイヤー・セクション(このページ)の判定について紹介しています。

判定の基本

判定には技能を使用します。
使用する技能 TIPS どの技能を使用するのかはDLから指定があります。
DLの指定技能以外の技能を使用したい場合、代用を提案することもできます。
詳しくは「ディーラー・セクション」の「判定の詳細」の項目を参照してください。
のレベルと同じ個数の10面ダイス(D10)を振ってください。

レベル1→1個、レベル2→2個、レベル3→3個です。

ダイスロールの表記

  • D● / ●面ダイス
    ●にはダイスの面数が入ります。
    D10 → 10面ダイス / D6 → 6面ダイス
  • ○D● / ○個の●面ダイス
    ○にはダイスの数が入ります。
    2D10 → 2個の10面ダイス / 3D6 → 3個の6面ダイス

D3(3面ダイス):6面ダイスの出目を読み替えます。(1,2 →1 / 3,4 →2 / 5,6 →3)

成功ダイスと成功数

技能にはそれぞれ「判定値」があります。
振ったD10のうち、判定値以下の 出目 TIPS D10の「0」の面は、出目を「10」と読んでください。 が出ているダイスを「成功ダイス」と呼びます。

判定値3の技能の場合、出目が1〜3のとき、成功ダイスとなります。

この成功ダイスの個数を「成功数」と呼びます。
最終的な判定結果は成功数で決まります。

クリティカル・ダイス

ダイスの出目が1だったダイスを「クリティカル・ダイス」と呼びます。
クリティカル・ダイス1つにつき成功数は追加で+1されます。

1つのクリティカル・ダイスで成功数が2 TIPS判定値が1以上の場合(ほとんどの場合) となります。

エラー・ダイス

ダイスの出目が10だったダイスを「エラー・ダイス」と呼びます。
エラー・ダイス1つにつき成功数は-1されます。

1つのエラー・ダイスで成功数が-1 TIPS 判定値が9以下の場合(ほとんどの場合) となります。

判定結果

成功数の合計によって判定の結果が決まります。

  • 成功数 マイナス / ファンブル
    “致命的失敗”。重大なミス。何らかのペナルティを受ける。
  • 成功数 0 / 失敗
    行動に失敗する。
  • 成功数 1 / シングル
    “通常成功”。行動が成功する。
  • 成功数 2 / ダブル
    “効果的成功”。より専門的だったり、高難度な行動に成功する。
  • 成功数 3 / トリプル
    “極限成功”。達人クラスの、これ以上ないほどの結果が出る。
  • 成功数 4〜9 / ミラクル
    “奇跡的成功”。超人的・超常的な、ありえないような結果が出る。
  • 成功数 10〜 / カタストロフ
    “災厄級成功”。行動の結果、広範囲に大規模な影響を及ぼす。

判定結果に応じて、共鳴者の行動の結果をDLが描写します。
基本的には成功数がプラスなら共鳴者の行動は成功になります。

より難しい行動に挑戦する場合、ダブルやトリプル、ときにはそれ以上の成功を求められる場合もあります。

ダイスボットの書式

オンラインツールで利用できるダイスボットの書式です。
成功数と判定結果が計算され出力されます。

  • ○DM<=● / [ダイスの個数]DM<=[判定値]
    オンラインキャラクターシートの「チャパレ」機能を利用すると、キャラクターの技能をダイスボットの書式で書き出せます。